【IMS グループ 中村哲也 理事長からのことば】
IMS グループは、安全でよりよく、そして新しい医療を患者さまに届けるべく再生医療を支える活動を推進しています。その一つとして歯髄細胞研究に参画します。
これからも医療を通じて広く社会に貢献してまいります。
【グループ職員参加の意義】
職員の皆様には再生医療を身近なものと感じ、発展に寄与して頂きたいと考えています。
また、本活動を通して再生医療をより理解して頂き、IMS グループでの再生医療実現化を志す人材の発掘・育成の機会となることを期待しています。
【歯髄細胞とは】
乳歯の歯髄細胞は、体に負担なく採取でき、増殖能力が高く神経細胞になりやすいと言われています。そのため脊椎損傷・脳梗塞後遺症・パーキンソン病など神経系の難治性疾患に対する再生医療に用いる細胞として期待されています。
【IMS職員歯髄ストックとは】
IMS グループが再生医療を支える活動の一つです。IMS グループ職員及びご家族から無償での乳歯提供を募り、廃棄される歯髄細胞を備蓄し、再生医療の研究開発を支援します。
【歯髄ストックの今後】
数百人から数万人に1 人の特殊な細胞の型をもつ歯髄細胞(HLA ハプロタイプホモ)のうち、頻度の高い上位50 種類を集めることで、理論上は日本人の約8-9 割に移植可能な細胞を備蓄することになります。更に、その細胞を用いた研究を、製薬企業や研究機関と進め、難治性疾患に対する新しい治療法や薬の開発を行うことができます。アイルでは、(株)再生医療推進機構との共同研究により、HLAハプロタイプホモの頻度の高い上位10 種のうち、5 種の型をすでに保有しておりますが、残る5 種の型を保有し、人口カバー率50%以上とすることを目指しております。その成果を利用する再生医療をIMS グループ施設で実施し、安全かつ新しい医療をより早く患者様に提供することを最終目標とします。
【特殊な細胞の型:HLA ハプロタイプホモ】
【実際の流れ】
抜歯(提携歯科・かかりつけ歯科)・自然脱落(自宅)により、異なります。
(検査科がない施設の場合、アイルが直接対応いたします。)
【Q&A】
Q: | 抜けてしまっている歯でも良い? |
A: | 申し訳ありませんが、提供して頂けません。歯は抜けた後、すぐに保存液に入れて頂かないといけません。 |
Q: | 大人の歯は提供できないの? |
A: | 「IMS職員歯髄ストック」では「乳歯のみ」とさせて頂いております。 |
Q: | 歯が抜けて48 時間経ってしまいました。提供できない? |
A: | 抜歯後48 時間以内であれば、歯の細胞を良い状態で採ることができると考えられています。 そのため原則として「抜歯後48 時間以内」のご提供とさせて頂いております。48 時間以上経過した場合であってもご提供していただくことはできますが、歯髄細胞の培養が出来なかった場合、再度、歯の提供をお願いする場合がございます。 |
Q: | HLA とは何ですか? |
A: | HLA はヒト白血球型抗原(Human Leukocyte Antigen)の略です。 「白血球の血液型」のひとつで、赤血球にA・B・O・AB の血液型があるように、白血球にも「HLA-A 座」「HLA-B 座」など、それぞれの型があります。HLA 分子は「自分と非自己(異物)」を識別するという免疫の機能を持っており、HLA の型が違うと非自己と判断します。 |
Q: | “拒絶反応が起きにくい”とはどういうことですか。 |
A: | 自身の持っているHLA 型と異なるHLA 型の細胞や臓器の移植を受けると、HLA 型が違うため移植された臓器等を『異物』と認識し、(免疫)拒絶反応が起こります。そのため、細胞や臓器を移植する際には、HLA 型を合わせることで、拒絶反応が起きにくくすることが重要です。 |
Q: | “拒絶反応が起きにくい”HLA 型の組み合わせとは、どんな型なのですか。 |
A: | HLA 型は父親と母親からそれぞれ子供に受け継がれますが、同じHLA 型を父親と母親から受け継いだ場合、その子供のHLA 型は「HLA ハプロタイプホモ」と呼ばれます。 例えば両親から同じHLA 型である「???」を受け継いだ場合、HLA 型は「???」の「ホモ」となります。HLA 型が(???)(???)やHLA 型が(???)(???)のような、HLA 型の片方が(???)の患者さんにHLA 型が「???」の「ホモ」の細胞を移植しても拒絶反応が起こりにくいという利点があります。 |
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